(第1回)電卓から電子手帳/PDAが誕生

電卓から電子手帳が派生

1983年5月にカシオ計算機からデータ登録機能を持つ電卓、PF-3000が発売された。電子手帳の第1号である。1987年には漢字機能付の電子手帳PA-7000(シャープ製)、DK-7000(カシオ計算機製)が発売され、漢字機能のついたデータ入力機能を持ちスケジュール管理や住所録が使える電子手帳というジャンルを形成。この後電子手帳の市場は大きく成長し、普及した。
カシオ計算機 PF-3000 シャープ PA-7000 カシオ計算機 DK-7000

しかし電卓の延長線上で作られた電子手帳では、PCとの連携、画像や音声の取り込み等、先進的ニーズには対応できず、ハード面では高速のCPU、大容量メモリ、高機能なOSなどが必要となり、新たなアーキテクチャが必要になった。

PDAの誕生

米国でAppleのJohn Sculleyは、GUIをもつ新しいコンセプトの携帯端末を実現する為に、専用RISCチップと新しいモバイル用のOS(Newton)を搭載する端末の開発を進めており、それを「PDA」と名づけた。1993年8月にNewton MessagePadとして世の中に送り出された。開発にはシャープがパートナーとして参加し、同社のブランドでNewton ExpertPad7100を発売した。
同じ頃、カシオ計算機も米国の開発会社(Tandy)と協力して同様の端末の開発を進めており、「Zoomer」として米国で同年10月に発売している。
“PDA”の由来Apple
Newton MessagePad
少し後に発売された
Tandy Zoomer

日本では1993年、電子手帳の進化形としてシャープのZAURUS PI-3000が発売された。液晶の大きな画面にタッチペンで入力でき、電子手帳機能に加えて、手書き文字認識、手書きメモ、PCリンク、通信機能(オプションモデム必要)などを備えていた。
シャープ
PI-3000
シャープ
カラー MI-10